ここ数年間、新しいウィンドウを開くのに時間がかかるという報告を一部のユーザーから受けていましたが、今回のアップデートでこの問題が一挙に解消!
デスクトップの最新版、Vivaldi 6.2 は、より一層高速に動作するようになりました。特に新しいウィンドウを開く際の速度が改善しています。React の Portal を通してブラウザウィンドウをレンダリングすることで、メモリ使用量の削減と全体的なパフォーマンスの大幅な改善を実現しました。
デスクトップ、またはノートパソコンで Vivaldi 6.2 にアップグレードして、新しいウィンドウを開いてみてください。速度がアップして、より効率性が増したことを実感できるはず。
そもそも Portal Windows って何? どんな効果があるの?
JavaScript のフレームワーク、React から派生した Portal Windows を使用すると、実行しているコードをウィンドウ間でより効率的に共有できます。
2013 年に遡る Vivaldi のコードベースは、デスクトップ版のユーザーインターフェイスの開発に React を使用しています。Portal Windows を実装するべく、これまでの数年間、気が遠くなるような複雑なプロジェクトに取り組んで開発してきました。
ブラウザに Portal Windows を実装すると、Vivaldi での複数のウィンドウのハンドリング方法を根本的に変えることができます。メモリと CPU の使用量を拡張すれば不具合に対処しやすくなり、これまでにチャレンジしてきた改善点も具体化できるのではと考えたんです。
Vivaldi の開発者で、このプロジェクトに深く関わった André Schultz は次のように話します。 「何らかの操作が行われると、従来では各ウィンドウに別々のドキュメントが割り当てられており、各ウィンドウの各ドキュメントで操作が実行されていましたが、複数のウィンドウで 1 つの UI ドキュメントを共有して処理するという新しい構造に変えました。この変更に対して大幅なコードの書き換えを行った結果、すべてのウィンドウに対して同じプロファイルの 1 つのスクリプトのコンテキストのみを実行するだけで済むようになり、よりシンプルな構造になりました。」
React の Portal に関する技術的な詳細は、こちら。
Portal Windows が Vivaldi にもたらした効果は絶大。ウィンドウパネルは元々、現在のウィンドウで開いているタブの状態のみを表示できるように導入したのですが、今では複数のウィンドウを扱えるまでに発展しました。
現在では、ウィンドウをまたいだタブのナビゲーションがより簡単に行えます。これも、Portal を採用して達成できたコードの書き換えのおかげ。
さらに、ちょっと前に開発した Portal ベースのポップアップウィンドウ(ウェブサイトにより作成・起動される小さなウィンドウ)も、もっと速く表示されるようになりましたよ。
より速く開けるようになった新しいウィンドウを体験
新しいウィンドウを開くのに時間がかかり過ぎてイライラするなんてことには、もうさよなら。Portal のおかげで、ショートカットやメニュー、クイックコマンドなどなど、どんな機能を使う時でも、新しいウィンドウを開く際の速度が飛躍的に向上しています。
正確な速度は、セットアップによって異なりますが、内部のテストでは、新しいウィンドウの開く速度が、以前のバージョンと比較して 37% 速くなったとの結果が出ました。また、2018 年以前の古いバージョンと比較すると、64% もウィンドウの開く速度に違いが出ています。超速!
注:これらのテストは、2GHz Intel Core i3 プロセッサを搭載したマシンで行われています。
Portal は多くの可能性と柔軟性を秘めています。現在取り組んでいるエキサイティングな開発には、複数のウィンドウでメールパネルの表示を可能にする機能など、以前は不可能だったものが含まれています。
その他の改善点
その他にも、今回のアップデートでは、よりパワフルでパーソナルな体験を提供するために以下のような改善を行いました。
- アドレス欄での候補の優先度変更機能: ドロップダウンメニューに表示する項目の優先度が、ニーズに応じて自由にカスタマイズできるようになりました。アドレス欄の設定から、表示・非表示にするカテゴリの選択や、優先順位を設定できます。ブックマーク、入力履歴、ニックネーム、閲覧履歴、検索、どれを選ぶのかはあなた次第。Vivaldi ではユーザーにブラウジング体験をもっとパーソナルに楽しんでもらいたいと考えています。
- MacOS で位置情報サービスが復活:Apple Location Services を搭載した MacOS の組み込み CoreLocation システム を使用することで、MacOS 版 Vivaldi でも、組み込みの Microsoft Location Service を使用する Windows 版 Vivaldi と同様に位置情報サービスの利用が可能になりました。
- ブラウジングデータ消去ボタン:履歴パネルにボタンを設けることで、閲覧履歴等のデータを手軽に消去できるようになりました。項目や期間を指定したり、あるいは一括して消去を行えます。ボタンをワンクリックするだけでプライバシーを保護し、データや履歴の整理を簡単に行えます。
- フィード機能がより見つけやすく、そして使いやすく:アルゴリズムをスキップしてお気に入りの Flickr や Tumblr をフォローしたり、自分だけのニュースフィードを構築することができます。 [アドレスフィールド] の RSS アイコンをクリックして、Vivaldi の最新のニュース、ブログ、ポッドキャストなどからの更新をゲットしちゃってください。
Vivaldi メールに新たに加わった機能
- 新しいメールフィルター:ユーザー体験を向上するため、メールの表示フィルターを刷新しました。「縦型」モードの場合、デフォルトではドロップダウンメニューが展開し、文字による説明が表示されます。表示方法を変えたことで、異なる機能を持つ似たようなアイコンと間違えることが無くなります。 個々のアイコンを表示したい場合には、[設定] → [メール設定] → [表示フィルターボタン] から、好きなようにカスタマイズできます。
- FastMail の OAuth 認証をサポート:Fastmail のアカウントに OAuth 認証を使用してスムーズにログインできるようになり、アプリ固有のパスワードを使う必要がなくなりました。FastMail のユーザーにとってログインプロセスが簡素化され、より安全かつ便利になりました。
今すぐ Vivaldi 6.2 をダウンロード!
Vivaldi では、良いことでも悪いことでも、ユーザーの皆さんからのご意見に常に耳を傾けています。また、パフォーマンスとユーザー満足度を重視して開発を行っています。定期的に新機能の導入や機能強化を行っていますが、中には、明確な結果を出すために、より多くの開発時間や一層の努力を要するプロジェクトもあります。
今回の Portal に関する開発は、そんなプロジェクトを代表する記念すべきもので、達成したことをとても誇りに思っています。既存のユーザーだけでなく、新規のユーザーも Portal の導入によってもたらされた違いを感じていただければと思います。
是非、Vivaldi 6.2 にアップグレードして実感し、フィードバックをお寄せください。
詳細に関しては以下の更新履歴をご覧ください。